2016年6月、京都市下京区のMATSUO MEGUMI +VOICE GALLERY pfs/wにて個展を開催します。

松本 和子展 「愛好家の面影」

会期 2016年06月11日(土)~07月02日(土)
時間 11~19時 (最終日17時まで)/ 日曜・月曜休廊
※会期中の毎週土曜日13~18時、ブオンフレスコの公開制作を行います。見学の予約は不要です。どうぞご来場ください。
場所 MATSUO MEGUMI +VOICE GALLERY pfs/w
京都市下京区富小路通高辻上る筋屋町147-1

松本和子が絵画表現に用いるフレスコとは、イタリア語で<新鮮な>を意味する古典技法です。その中でも真のフレスコと呼ばれるブオンフレスコは、シンプルな材料(石灰、砂、水)で練った漆喰を左官の要領で平に塗り、その漆喰が新鮮な状態、つまり硬化していない生乾きの間に、水溶きの顔料で描画します。漆喰が乾燥する過程で、石灰の化学変化により顔料は内部にとりこまれ、表面にガラス質の皮膜が形成されて画面が強く保護されるようになります。

また、ブオンフレスコと共にしばしば用いるストラッポとは、<剥がす>という意味の壁画の修復技法です。ストラッポは、フレスコの彩色層のみを膠の吸着力によって漆喰壁から剥がし、麻布等のうす布に貼り付けます。これにより、漆喰壁と共にあることでしか成立しなかった絵画空間を、元の壁から剥がし、新たな形で再編成することに繋がります。

松本は、これらの古典技法を用いて、プライベートな場所やものをモチーフとして描き、身体や記憶、空間の表現について今日的な可能性を探ろうとしています。